本当の「自信」とは何か ――「間違えるかもしれない自分」を引き受ける勇気について

2026年1月17日土曜日

考えかた

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世の中には「自信を持て」「自己肯定感を高めろ」という言葉が溢れています。

書店には自信を身につけるための本が並び、講座や動画も後を絶ちません。
いまや「自信を持たせること」自体が、一つの産業になっていると言ってもいいでしょう。

しかし、ここで一度立ち止まって考える必要があります。
私たちはそもそも、「自信」というものを正しく理解しているのでしょうか。


「自信がある人」に見える人の正体

一般に「自信がある人」と聞いて思い浮かべるのは、

  • 迷わず判断する

  • 断定的に語る

  • 声が大きく、堂々としている

といった人物像ではないでしょうか。

会議で言い切る人、強い言葉を使う人、ブレない態度を見せる人は、
周囲から「自信がある」と評価されがちです。

しかし、こうした人たちの中には、
本当の意味で自信を持っているわけではなく、
**「自分の自信が揺らぐことを極度に恐れている人」**も少なくありません。

彼らは、

  • 自分が間違える可能性を認められない

  • 迷う姿を見せることに耐えられない

  • 他人を下に置くことで、自分の立場を守ろうとする

といった行動を取りがちです。

これは自信ではなく、
不安を否認するための防御反応に近いものです。

不確実な時代ほど、人は「迷っていないように見える人」に惹かれます。
しかしそれは、正しさを求めているというより、
自分自身の不安を一時的に消したいという不安回避の反射にすぎない場合が多いのです。


本当の自信は「間違える前提」から始まる

では、本当の自信とは何でしょうか。

それは、強さでも確信でもありません。
本当の自信とは、
「自分は間違えるかもしれない」という前提を、最初から引き受けている状態です。

本当に自信のある人は、次のことを理解しています。

  • 自分は完璧ではない

  • 知識も判断も不完全である

  • 状況はいつでも変わり得る

そのうえで、

  • 一度は自分で判断する

  • 間違えたら修正する

  • ダメなら撤退する

  • その結果の責任を、他人ではなく自分に戻す

という覚悟を持っています。

ここにあるのは、「正しさ」ではなく、引き受ける姿勢です。

だから本当に自信のある人は、
意外と声が小さかったり、断定を避けたりします。
自分の経験を万能化して人に押しつける必要もありません。

彼らは、自分の人生を他人に保証してもらう必要がないのです。


「自信が持てない」と感じる人へ

「自信を持て」という言葉は、
しばしば「不安を感じるな」という命令として機能してしまいます。

さらに厄介なのは、
社会構造や環境の問題が、
個人のメンタルの問題にすり替えられてしまう点です。

もし今、あなたが自分に自信が持てないと感じているなら、
それはあなたが弱いからではありません。

むしろ、
この不確実な現実を、ごまかさずに見ているから
迷いや不安が生じているのです。

自信とは、「自分は正しいと信じて疑わないこと」ではありません。
迷いながらも、間違えるリスクを引き受けて一歩を踏み出すこと。
その姿勢こそが、私たちが目指すべき本当の自信です。


比喩で考える「本当の自信」

本当の自信とは、
「この船は絶対に沈まない」と信じ込むことではありません。

それは、
**「船が浸水するかもしれないことを理解したうえで、
そのときどう修理し、どう操舵するかを考えている状態」**に近いものです。

嵐の中で
「絶対に大丈夫だ!」と叫ぶのは過信です。
「浸水するかもしれないが、そのときは対処しよう」と構えること。
それが、不確実な時代を生きるための、現実的で誠実な自信なのです。

自信とは、声の大きさではありません。
責任を引き受ける覚悟の静けさなのかもしれません。


Preplyでビジネス日本語を教えています。日系企業で働いてみたい方、日本語の更なるスキルアップを目指す方など大歓迎です。お気軽にお問い合わせ下さい。

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