なぜ同じ営業職なのに給料が倍違うのか ── 「職種」ではなく「構造」で見る社会

2026年5月21日木曜日

働くこと

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就職や転職を考えるとき、多くの人はまず「職種」で仕事を見ます。

営業職。
事務職。
エンジニア。
経理。
マーケティング。

もちろん、それ自体は間違いではありません。

しかし、社会に出てしばらくすると、多くの人がある違和感を抱くようになります。

「同じ営業なのに、なぜこんなに給料が違うのか?」

実際、同じように営業をしていても、年収300万円台の人もいれば、800万円、1000万円近くもらっている人もいます。

しかも、その差は必ずしも“本人の努力”だけで説明できません。

そこには、学校ではあまり教えられない「業界構造」の問題があります。

給料は「能力」だけでは決まらない

日本社会では、「頑張れば報われる」「能力が高い人ほど稼げる」と説明されがちです。

もちろん、それも一部は事実でしょう。

しかし現実には、同じくらい真面目に働いていても、所属する場所によって給料は大きく変わります。

例えば、「ガス業界の営業」という言葉だけを見ると、同じ仕事に見えるかもしれません。

ですが実際には、

  • インフラを持つ大手ガス会社
  • 総合商社
  • 地域の販売代理店
  • 下請け保守会社

では、給与水準も働き方も大きく違います。

つまり重要なのは、「営業かどうか」ではなく、

その人が“業界のどの位置”にいるか

なのです。

「本体」と「代理店」では、最初から条件が違う

世の中には、「利益を握る側」と、「利益を分配される側」があります。

これは能力論というより、構造論です。

例えば、大手企業本体は、

  • ブランド
  • インフラ
  • 価格決定権
  • 顧客基盤
  • 資本力

を持っています。

つまり、「ルールを作る側」です。

一方で、代理店や販売店は、その商品を“売る役割”を担います。

もちろん社会に必要な仕事です。

しかし、利益率はどうしても薄くなりやすい。

なぜなら、利益の大部分は上流で確保されるからです。

すると、現場では何が起きるか。

「数を売れ」
「契約を取れ」
「もっと回れ」

という圧力が強くなります。

つまり、代理店型ビジネスほど、「量」で勝負する構造になりやすいのです。

なぜ現場は苦しくなるのか

利益率が低い仕事には、共通点があります。

それは、「人間の頑張り」で埋めるしかないことです。

例えば、

  • 長時間労働
  • 精神論
  • ノルマ
  • 気合い
  • 根性営業

こうしたものが強くなりやすい。

なぜなら、構造的に利益が薄いため、人間側が無理をすることでしか数字を維持できないからです。

逆に、上流側の企業ほど、一人当たり利益が大きい。

すると、

  • 福利厚生
  • 給与
  • 労働環境
  • 教育制度

にも余裕が出ます。

つまり、「人が優秀だから儲かる」のではなく、

儲かる構造にいるから、人に余裕が生まれる

という側面も大きいのです。

学校では「構造」を教えてくれない

学校教育では、比較的きれいな話が多く語られます。

努力。
やりがい。
挑戦。
夢。

もちろん、それ自体は大切です。

しかし、現実社会には「富がどこで発生し、誰が利益を取っているのか」という構造があります。

そして、その構造によって、同じ職種でも待遇が大きく変わる。

ところが、この話はあまり表立って語られません。

なぜなら、「完全な平等ではない」という現実を含んでいるからです。

しかし、社会に出ると、多くの人が肌感覚で気づき始めます。

「同じ頑張りでも、場所によって全然違う」と。

「どこで働くか」は人生を大きく左右する

もちろん、すべての人が大企業へ行けば幸せという話ではありません。

地域密着型の会社には、その良さがあります。
小さな会社には自由さもあります。

ただ、「構造」を知らないまま仕事を選ぶのと、理解した上で選ぶのでは、大きな違いがあります。

重要なのは、

  • この会社はどこから利益を得ているのか
  • 誰が価格決定権を持っているのか
  • 上流なのか下流なのか
  • 代替されやすい立場なのか

を観察することです。

世の中は、「仕事内容」だけで動いているわけではありません。

むしろ、「どの構造の中に配置されるか」で、人生の難易度が大きく変わることがあります。

「職種」より「構造」を見る視点

これからの時代は、「何の仕事をするか」だけではなく、

「どの構造の中で働くか」

を見る視点がますます重要になっていくでしょう。

営業職そのものが悪いわけではありません。
代理店が悪いわけでもありません。

しかし、社会には確かに、

  • 利益を握る側
  • 利益を分配される側

が存在します。

そして、その違いは、個人の努力だけでは埋められない部分もある。

だからこそ、仕事選びでは「仕事内容の綺麗さ」だけではなく、「富の流れ」を見ることが大切なのです。

求人票を見るときも、

「この会社は、業界のどこで利益を取っているのか?」

という視点を持つだけで、社会の見え方はかなり変わってくるはずです。


Preplyでビジネス日本語を教えています。日系企業で働いてみたい方、日本語の更なるスキルアップを目指す方など大歓迎です。お気軽にお問い合わせ下さい。

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