はじめに
皆さんは、人間関係を二項対立で捉えて、「あっち側」と「こっち側」に分けて考えることはありませんか? 今回は、私自身の経験を振り返りながら、この二項対立的な考え方がどのように変化し、企業社会で働く上でどのような気づきがあったのかを共有したいと思います。
子供時代から大学時代:内向的な性格と二項対立
私は、子供の頃から内向的な性格で、どちらかと言うと一人でいることを好むタイプでした。小学校の作文では「無人島で暮らしたい」と書き、父親に叱られた経験もあります。
大学時代には、周囲の学生を「こっち側(内向的な人)」と「あっち側(外交的な人)」に分けて捉えていました。自分と気が合う人とのみ付き合い、積極的に他人と関わることを避けていたのです。
就職と価値観の転換
大学卒業後、私は住宅リフォームの訪問営業の仕事に就きました。そこで、企業社会では「あっち側」も「こっち側」も存在しないということに気づかされます。会社では、価値観や性格が異なる様々な人と付き合わざるを得ません。
この経験を通じて、人間関係の二項対立的な捉え方は、非常に狭い視野に基づいていることを痛感しました。企業社会では、会社の価値観を共有し、受け入れることが求められます。
企業社会における個性の表現
しかし、企業で働く中で、別の難しさも感じました。それは、自分の個性を表現する必要があるということです。
会社では、自分のキャラクターを周囲に理解してもらうために、分かりやすいレッテルを貼られることがあります。例えば、「明るい人」「真面目な人」「体育会系」などです。
このようなレッテルは、他人を理解する上での便宜的な手段ですが、人間はそんなに単純ではありません。短い時間で、表面的に人を判断することは、本質を見失う危険性があると思います。
まとめ
企業社会での経験を通じて、私は「あっち側」「こっち側」という二項対立的な考え方を捨てることができました。しかし、一方で、企業社会における人間関係の複雑さや、個性を単純化する傾向にも気づきました。
現代社会は、特にSNSの影響もあり、短時間で他者を理解することが求められる傾向にあります。しかし、私は、人間はもっと複雑で、時間をかけて理解すべき存在だと考えています。