どうもこんにちは。本日は、日本における独特なビジネス習慣、特に中小企業での営業やマーケティングについてお話ししたいと思います。海外の方からすると驚かれるかもしれない、日本のビジネス現場で今なおファックス(FAX)や紙のダイレクトメール、さらには飛び込み営業が使われている理由について深掘りしていきます。
なぜ今でもFAXや紙のダイレクトメールが使われるのか?
おそらく世界の多くの国では、ビジネスの現場でFAXはほとんど使われていないかもしれません。しかし、日本では、特に中小企業においてFAXがまだまだ現役で使われているのです。
その主な理由の一つとして挙げられるのが、中小企業の社長さんの年齢です。日本では、60代や70代の社長さんが多くいらっしゃいます。彼らは、多くの場合、IT(情報技術)があまり得意ではありません。
- パソコンのメールをあまり見ない。
- SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を使いたがらない。
- インターネットの情報は信用できない、あるいはよく分からないと感じる。
- 「今更新しいIT技術を学ぶのは大変だ」と感じている人も少なくありません。ChatGPTのような新しいAIサービスについても、「自分には全く分からない」「関係ない」と感じる社長が多いのです。
このような社長さんたちに情報を確実に届けるためには、デジタルよりもアナログの方が届くという現実があります。
- FAXであれば、会社の事務所のプリンターから紙で情報が印刷されて出てきます。ゴミ箱に捨てる前に、目を通してもらえる可能性が高まります。
- 紙のダイレクトメールも、郵便物として届き、封筒を開けてもらえれば内容を手に取って読んでもらえるかもしれません。
また、デジタルな情報に比べて、手書きで書かれた手紙や文章には、受け取る側に「ありがたみ」を感じさせる効果があると考えられています。手間と時間がかかるからこそ、デジタルメッセージでは得られない価値があるのです。
「飛び込み営業」が今も有効な理由
「飛び込み営業」と聞くと、インターネットが普及した現代にはそぐわない、古い方法だと感じる方も多いでしょう。効率的なのはオンラインでの営業だと考えるのが一般的かもしれません。
しかし、日本の多くの中小企業では、法人営業において飛び込み営業が未だに有効なケースがあるのです。例えば、建設会社、中小のリフォーム会社、エクステリア工事会社、食品関係の中小企業など、多岐にわたる業種でこの傾向が見られます。
これらの会社の社長さんたちは、インターネットを使って自ら情報を探すよりも、会社にいて誰かが直接尋ねてきてくれた方が安心だと考える人が多いのです。
- テクノロジーがどんなに進んでも、情報の真偽を判断するには自分自身の知識が必要です。
- 対面で営業担当者が丁寧に説明してくれれば、「この人はこの分野の専門家だから信頼できるかもしれない」と感じやすいのです。
つまり、どのような相手に情報を伝えたいのか、そしてその相手にとって最も受け取りやすい方法は何かを考えることが、マーケティングにおいて非常に大切だと言えます。
相手に合わせた方法で信頼を築く
日本の中小企業では、FAX、紙のダイレクトメール、そして飛び込み営業といった、一見すると古いと思われがちな方法が今も活発に使われています。これは、最新の方法が常に正しいとは限らないというビジネスにおける重要な教訓を示しています。
大切なのは、相手の世代、業種、そして彼らが持っている価値観に合わせて、営業やマーケティングの方法を変えていくことです。相手に合った方法を選ぶことが、信頼を築く鍵となるのです。