いつも「ビジネス日本語講座」をお聞きいただき、ありがとうございます。運営しております茂樹です。
今日は、この番組が持つもう一つの大切な役割についてお話ししたいと思います。もちろん、日本語学習に役立つ表現や、ビジネスに役立つ考え方をお届けする場であることは間違いありません。
しかし同時に、私はこの番組を 働く人々の「心の声」や「愚痴」を代弁する場 にしたいと考えています。
「愚痴」を代弁する意味
会社員として働く人は、日々いろいろな気持ちを抱えていらっしゃいます。上司への不満、会社の仕組みへの疑問、働き方の矛盾など…。でも、そうした「愚痴」を家族や友人に素直に話すのは難しいものです。
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奥様は旦那様の愚痴を聞きたくないかもしれません。
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ご両親や兄弟に話しても「またか」と迷惑がられるかもしれません。
不思議なことに、一番近い人ほど「愚痴」を受け止めてくれないものです。
それでも、人間には「自分の気持ちをわかってほしい」「大変さを誰かに知ってほしい」という強い思いがあります。
私自身も長年サラリーマンを経験してきました。日本だけでなく、タイやベトナム、ラオスといった東南アジアでも働いた経験があります。その中で痛感したのは、仕事そのものよりも、人間関係、特に上司との関係の方が大変だということでした。
組織の中で本音を言うことは難しく、ときにはクビになるリスクすらあります。そのため、多くの人は不満を飲み込み、我慢しながら日々働いているのだと思います。
もちろんこれは会社員だけの話ではありません。フリーランスや経営者であっても、誰かからお金をいただいて働く以上、悩みや葛藤を抱えながら仕事をしているはずです。
「愚痴」に隠された価値
私はポッドキャストを通じて、そうした「心の声」を代弁することに大きな意味があると考えています。
なぜなら「愚痴」はただの不満ではなく、その時代の空気や本音を映し出し、変化の兆しを含んでいるからです。
私の役割は、そうした声を言葉にし、物語にしてお届けすることだと思っています。モヤモヤとした気持ちに意味を与え、時には教訓として整理する。それによって、「自分だけが悩んでいるわけじゃない」と感じてもらえるのではないでしょうか。
番組の使命
世の中にはビジネス書や自己啓発書がたくさんありますが、当たり障りのない「建前」ばかりで、働くことの本当の大変さには触れていないことが多いと感じます。
だからこそ、この「ビジネス日本語講座」は、単なる語学教材ではなく、働く人たちの声を代弁し、共有する場所でありたいと思っています。
これからも日本語表現やビジネスの考え方をお伝えしつつ、皆さまの心の声を代弁し、少しでも共感や安心を届けられるよう努めてまいります。
どうぞ今後とも「ビジネス日本語講座」をよろしくお願いいたします。