国際交流に関心が無い日本人とどのように仕事で付き合っていくか

2024年10月4日金曜日

日本文化

t f B! P L

 これを読んでいる外国人の皆さんが日本語を使って、日本人と一緒に職場で働くことを想定してみましょう。

 

おそらく、海外や、外国の文化について興味、関心がある日本人と一緒に働くことはそれほど大変では無いと思います。日本人の中には海外留学や就労の経験がある人もいます。また、そういう経験が無い人であっても、もとから海外に興味があって、自ら自発的に英語を学ぶなどして、海外の事柄を積極的に学ぼうとしている人もいます。

 

そういう日本人の場合、日本と海外の国々の文化や価値観が違うということを実体験として学んでいるものです。また、海外との文化の違いを楽しむという姿勢の人もいます。

 

一方で、日本には「海外の事情には一切の興味、関心が無い」という日本人もいます。

 

外国人の皆さんが日本の職場で働く時に苦労するのは、こういう海外に興味の無い日本人だろうと思われます。この記事では、どうやって、そういう内向きな日本人と一緒に働いていったらいいのかというのを考えていきます。

 

このテーマを考えるにあたって、便利な日本語があります。それは「マイルドヤンキー」という言葉です。皆さんはマイルドヤンキーという言葉を聞いたことがありますか?

 

ヤンキーという日本語がありますが、あれは悪人や不良、チンピラの人達を指す言葉です。ヤンキーには暴力性が伴ったり、しばしば法律に違反したりといった性質が伴いますが、マイルドヤンキーにはそういう反社会的な暴力性はありません。

 

マイルドヤンキーとは、生まれ育った地域を離れずに、地元で進学や就職をしていって、大人になっても学生時代の頃からの仲間や友達との付き合いを継続している人達のことを言います。

 

マイルドヤンキーにはいくつかの特徴があって、車好きで特にトヨタのアルファードやヴェルファイアなどのミニバンを好んで乗ったりします。

 

それから、週末などにショッピングモールで特に用事は無いけれども仲間と連れ立って、ダラダラと休日を過ごすなどしているようです。日本の田舎に行くとコンビニの前にそういうマイルドヤンキー風の若者がたむろしていたりします。

 

私もかつて、これぞマイルドヤンキー!と呼べるような人々と遭遇したことがありました。かれこれ、15年ほど前のことです。私は当時、日本にいましたが、タイへの旅行がきっかけとなって、タイ語留学をしたいと考えました。

 

留学をするとなれば、その授業料やら、生活費などを用意する必要があります。私はその留学資金を地元にあった会社で働いて稼ぐことにしました。私は地元に近かった木更津という街にある会社に通うことになりました。

 

木更津の会社にいた社員達はそのほとんどがマイルドヤンキーでした。木更津で生まれ育って、学校で学び、木更津、あるいはその周辺で就職していったような人達でした。

 

会社には当時、仲の良かった先輩社員がいました。その先輩社員が私に語ってきた話の中で、今でも忘れられないことがあります。その人は地元の住宅地に一軒家を建てたのですが、その家の隣に、その人の高校時代から付き合いのある友人も一緒に家を建てたというのです。

 

その友人も同じ会社で働く人でした。私のような都会暮らしに慣れたような人間にとっては、ちょっと理解し難い感覚でした。というのは、いくら仲が良い友達といっても、隣に住んでいたら、会社が終わっても一緒に顔を合わせることがあるでしょうし、休日も一緒に過ごすということになれば、人間ですから気分の調子の悪いこともあって、そういう時分には隣にいる友達がひどく疎ましく思えることもあるはずだからです。

 

それからまた、その木更津の会社にいた頃に、他のマイルドヤンキーから、こんなことも言われました。

 

私がタイに渡ってタイ語留学をしようとしていたことをそのマイルドヤンキーに話したところ、そのマイルドヤンキーは、「海外に行かなくても、日本で欲しいものは全て手に入る」と言ってきたのです。

 

その言辞を捉えて、視野が狭い考え方であり、まさしく井の中の蛙だなと批判するのは簡単なことなのですが、私はそのマイルドヤンキーが言った言葉に、ある種の羨望を伴った感動を覚えました。

 

なぜなら、彼にとっての世界は地元だけであり、地元にいれば現世における幸福は全て満たされるということだからです。よくある「田舎から都会に出て一旗揚げる」と言った野心も無ければ、フロンティアを求めて対外膨張を果てしなく続けるような鼻息荒い血気もありません。

 

マイルドヤンキーは等身大の人生を求めていて、狭い範囲で人生を充足させる術を知っていると言えましょう。

 

同じようなことがタイで会社員をしていた頃もありました。

タイ語留学を終えた後、私はタイで働き始めたのですが、タイ人の中には海外に興味があって、英語を非常に流暢に話す人もいました。その一方で、海外のことにも日本にも興味がなく、タイが好きでたまらないタイ人もいました。

 

そういう内向きのタイ人というのは、英語を含めた外国語をほとんど話さずに、タイ語しか話さないということがよくありました。また、そもそも外国のことに興味が無いので、外国人である私(日本人)と一緒に働く際にも、私の方は彼らの行動規範や、考え方が分からずに結構な苦労をしました。

 

ただし、私はタイでは外国人であり、タイという外国で働かせてもらっているということもあって、地元のタイ人達の働き方に合わせる必要がありました。

 

タイでの就労を終えた後に、タイのことを完全に理解できたのかどうかは分かりません。外国人と一緒に働くというのは本当に大変なことなのだとしみじみと実感しました。

 

仲良くなった人もいれば、表面的な付き合いで終わった人もいます。まあ、それは世界中どこでも同じことでしょう。

 

なんにせよ、この記事で私が強調したいのは、全ての日本人が海外に関心があるというわけでは無いということです。日本人の中には閉鎖的で、内向き志向であり、狭い範囲の世界で充足している人たちもいます。

 

外国人の皆さんにとっては、そういう市井の「普通の日本人」と仕事場でどうやって交流をして、コミュニケーションをとっていくかが重要になってくるでしょう。

 

私はこのブログでの情報発信を通じて、マスメディアではあまり重要視されない、巷間の一般的な日本人や、日本文化に焦点を当てて、出来るだけわかりやすく皆さんに情報をお届けしたいと考えています。

 

 

 


Preplyでビジネス日本語を教えています。日系企業で働いてみたい方、日本語の更なるスキルアップを目指す方など大歓迎です。お気軽にお問い合わせ下さい。

このブログを検索

ブログ アーカイブ

連絡フォーム

名前

メール *

メッセージ *

ポッドキャスト ビジネス日本語講座

QooQ