今回は、営業マンとして働く中で、「自分が販売する商品にどうしても興味が持てない…」と感じてしまった時の対処法について、私の経験を交えながらお話していきたいと思います。
恐らく、この記事を読んでいる営業マンの皆様の中にも、心の中で同じような悩みを抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。 ただ、この気持ちを会社の上司や同僚に打ち明けるのは、なかなか勇気がいるものですよね。 「営業たるもの、自社の商品に愛情と興味を持つのは当たり前だ!」なんて、的外れなことを言われてしまうかもしれない。 建前上、本音を言えない営業マンは、興味のない商品を売るために我慢しながら仕事をし続ける、そんな状況に陥ってしまうこともあるかもしれません。
実は、私自身も会社員時代、多くの転職を経験する中で、個人営業、法人営業の両方を経験してきました。 そして、自分の胸に手を当てて振り返ってみると、本当に心から好きだと思える商品ばかりを販売してきたわけではなかったのです。 仕事として、生活のために、仕方なく営業していたというのが正直なところです。
もちろん、営業という仕事自体が嫌いだったわけではありません。 最初に入った住宅リフォームの訪問販売は本当に大変な仕事でしたが、お客様との出会いから信頼関係を築き、最終的に商品を買っていただくというプロセスに、やりがいを感じることもありました。 興味がないなりに、商品の知識を勉強していくうちに、お客様とのやり取りが面白くなってきたという経験もあります。
その後も転職を重ねましたが、やはり「この商品、どうしても好きになれないな…」と感じることもありました。 例えば、ケーブルテレビの営業マンとして、自分が全くテレビを見ないにも関わらず、様々な番組チャンネルの魅力を語らなければならないこともありました。 時代劇専門チャンネルというチャンネルがありますが、自分自身は興味がないのに、あたかも高齢者のお客様に喜んでいただけるかのように説明するのですから、内心「白々しいな」と感じることもありました。 スポーツチャンネルも同様で、スポーツ好きではない私が、その魅力を熱心に語るわけです。
理想を言えば、心から自社の商品が好きで、その魅力を自信を持ってお客様に伝えられるのが一番良いでしょう。 その熱意はお客様にも伝わりやすく、説得力も増すはずです。 しかし、現実には、全ての商品に心惹かれるというのは難しいことかもしれません。
では、販売する商品に興味が持てない時、どうすれば良いのでしょうか? 私の結論としては、あまり悩みすぎる必要はないということです。
興味を持てないものは仕方ありません。 そんな時は、少し視点を変えてみることをお勧めします。
- 仕事における人間関係に目を向ける: 職場の同僚や上司の中に、尊敬できる人はいませんか? 一緒に働く仲間との良好な関係は、仕事のモチベーションを保つ上で非常に重要です。
- 営業スキルそのものに喜びを見出す: お客様とのコミュニケーション、巧みな営業トーク、そして契約を獲得する達成感など、営業という仕事そのものに楽しさを見出すのも一つの方法です。
- 様々な業界や商品に触れる経験と捉える: 世の中には本当にたくさんの商品やサービスがあり、営業の仕事を通して、様々なものに触れることができると考えることもできます。 これは、自身の知識や経験を豊かにする良い機会と捉えられるのではないでしょうか。
結局のところ、世の中には星の数ほど商品やサービスが存在し、全ての営業マンが自分の扱う商品に心から興味を持てるとは限りません。 それはごくごく当たり前のことなのです。
もし今、販売する商品に興味が持てずに悩んでいる営業マンの方がいらっしゃったら、どうか一人で抱え込まず、今回の話を少しでも参考にしていただければ幸いです。大切なのは、商品への興味だけが営業のモチベーションではないということです。 他の側面に目を向け、自分なりのやりがいを見つけていくことが、長く営業の仕事を続けていく上で重要なことだと私は思います。