今日のテーマは、「一見つまらない会社の仕事もビジネスモデルを考える訓練にはなる」というお話です。
現在、会社にお勤めの方の中には、ご自身の仕事や会社に対して100%満足しているという方は少ないのではないでしょうか。多くの方が、会社への不満や仕事のつまらなさを感じながらも、毎月のお給料のために仕方なく働いているという状況かもしれません。
実を言うと、私自身も会社員時代はあらゆることに不満だらけでした。人間関係、特に上司に対して不満を感じていましたし、仕事そのものも面白くない、興味が湧かないと感じていました。
どうしても他人に対して不満を持ったり、上司が悪いと批判したくなる気持ちはよく分かります。世の中には、なかなか変わらない、反省もしないようなよろしくない上司もいますから、そういう状況であれば転職も最終手段かもしれません。
しかし、今日お伝えしたいのは、そうした不満や批判だけではない視点です。せっかく会社で働いているのであれば、一見つまらない仕事場でも、もう少し大きな視点を持って会社というものを捉えてみると、新たな発見があると思うのです。
それは、会社を俯瞰して捉えるということです。そして、この視点を持つことが、ビジネスモデルを考える訓練になると私は考えています。
もちろん、すぐに独立してビジネスを始める際に役立つとは限りませんし、ビジネスは単純なものではないでしょう。しかし、ただ言われた仕事をやっているだけでなく、少し立ち止まって「今やっているこの仕事は、一体どういう仕組みで利益を生んでいるのだろうか?」という視点から考えてみてはいかがでしょうか。
会社というものは、基本的に誰かに対して商品やサービスを販売することで利益を得ています。では、そもそもどうやってお客様を集めているのでしょうか?
上手くいっている会社も、そうでない会社もあるかもしれませんが、ほとんどの会社はゼロからスタートしたはずです。最初の顧客をどうやって見つけたのか、そこからどのように顧客を増やしていったのか。社長はどんな方法で新規開拓をしたのか。会社が大きくなれば、既存の顧客からの紹介で新しい顧客を獲得したかもしれませんし、インターネットを活用して顧客を見つけた可能性もあります。
特に、日本企業やBtoBの法人取引を行っている会社では、いまだにインターネットの活用が遅れている場合もあるようです。昔ながらの人間関係を重視するあまり、インターネットの導入が遅れてしまうことがあるのですね。もちろん、顔を突き合わせての付き合いは大切ですが、この時代、インターネットをうまく活用して新規集客を成功させている企業もたくさんあります。
ですから、今の会社がどのように売上を立て、集客をしているのかを考えてみるのは非常に良い訓練になります。
さらに、会社の仕組みにも目を向けてみましょう。組織の仕組み、業務の進め方など、様々な仕組みがあります。例えば、特定の人に業務が集中し、その人が欠けるとオペレーションが回らなくなるような会社は、仕組みとしてはあまり良くありません。そうではなく、誰かが休んでも会社が回るような仕組みを、それぞれの会社が考えているはずです。
そうした仕組みを観察し、「こういう仕組みになっているから、会社は上手く回っているんだな」と俯瞰的に捉えてみるのも面白いと思います。
大切なのは、物事の本質に思いを馳せることではないでしょうか。それがすぐに何かの役に立つとは限りませんが、会社の中で自分がどういう役割を担っているのかを全体像から見て理解することで、自分の動き方も見えてくるはずです。
そうすることで、もし今やっている仕事がつまらないと感じていたとしても、ほんの少し、興味が湧いてくるかもしれません。
人間関係、特に上司との関係は難しいものですが、仕事そのものに興味が持てなかったり、会社員でいることが大変だと感じることもあるでしょう。しかし、ただお金を稼ぐためだけに会社を捉えるのはもったいないかもしれません。
少しでも興味を持てるようにするために、今一度、ご自身の会社のビジネスモデルを考えてみてはいかがでしょうか。