専門職なのに不愛想?その理由とこれからの時代に思うこと

2025年5月13日火曜日

コミュニケーション

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 皆さんは、病院や歯医者さんなど、いわゆる専門職の方と接する際に、「なんだか感じが悪いな」「不愛想だな」と感じたことはありますか? 私も先日、久しぶりに近所の病院に行く機会があり、まさにそんな経験をしましたので、今回はそのことについてお話ししたいと思います。

その病院は本当に何十年ぶりかに行った場所で、診察券もなくしてしまったほどです。受付の方から看護師さん、そしてお医者さんまで、全員がとても感じが悪かったのです。これほど感じが悪くていいのだろうか、と思うほどでした。

対応は一言で言うと「事務的」です。人間味が一切感じられない、と言うのでしょうか。検査を受けなければならないので仕方がないと諦めて診察を受けましたが、特に医者の対応は事務的で、患者である私の話を全く聞こうとしないという感じでした。自分の言いたいことだけを言って、さっさと対応を済ませようとしているように見えました。

技術があれば不愛想でも良い?

病院のような専門職の方々が、不愛想だったり感じが悪かったりすることは、実は非常によくあることだと感じます。歯医者さんなどもそうですね。

もちろん、歯医者さんの仕事は歯の治療をすることですから、どれだけ不愛想でも、コミュニケーションスキルが劣っていても、感じが悪くても、歯を治すというスキルや技術が非常に高ければ関係ない、という考え方があるのかもしれません。例えば、治療の腕はすごく良いけれど不愛想な歯医者さんと、腕はいまいちだけれど感じの良い歯医者さんがいたら、おそらく多くの人は前者の、不愛想でも腕の良い歯医者さんを選ぶでしょう。私自身もそうです。

でも、専門職の人間が、そんなに偉そうに不愛想にしていて本当にいいのだろうか、という疑問もすごく感じたのです。

営業職との違い

私自身の経験として、会社員時代はほとんど営業職でした。営業の仕事をしていると、お客様とコミュニケーションを取ることを、かなり深く考えて実践していく必要があります。基本的に商売人ですから、愛想が良いのは当たり前のことです。ただ、愛想が良いだけではダメで、時には言いたいことを言ったり、お客様と交渉したりする場面もあります。営業という仕事は、かなり高度なコミュニケーションスキルが要求される仕事だと改めて感じます。

医者、弁護士、公認会計士、税理士など、世の中には様々な専門職の方がいますが、もちろん仕事そのものをしっかり完遂させることは重要です。しかし、仕事ができたからといって、不愛想で良いのか、という話ですよね。

AI時代に不愛想な人はどうなる?

これは私の想像なのですが、最近よく言われるのが、AI(人工知能)が発達したときに「なくなる仕事」が出てくるということです。今後テクノロジーが発展していったとき、今現在は高度な専門職だと言われているような仕事でさえ、おそらくAIに置き換わるだろう、という気がしています。

そして、AIに仕事が置き換えられてしまうという事態が起こる前に、愛想が悪く人に接していた専門職の人間は、多分真っ先に「切られる」と思うのです。なぜかと言うと、AIでもできるような仕事であれば、わざわざ不愛想な人には頼まないからです。

お客様はお金を出してサービスを受けるわけですが、やはり商売の基本というのは、愛想の良さや、話していて気持ちが良いと感じるか、といった要素が必要なのではないかと私は思います。

傲慢さと憧れ?

この「技術は超一流だけれど不愛想で傲慢な人」というのは、物作りの職人さんなどにもよく見られます。仕事の腕は最高だけれど、その技術に自信満々で、他人に対して傲慢に偉そうに振る舞うということがあります。そして、その人の仕事は替えが効かないため、その傲慢さや偉そうな態度が許されてしまっている、という状況があるのです。

スポーツの世界でもそうですし、何かの仕事で秀でているけれども、性格が悪かったり愛想が悪かったりする、という人はいると思います。そして、今後そういう人たちがどうなっていくのか、という話です。

もちろん、人間には様々な性格の人がいますから、全員が愛想良くできるわけではありませんし、それは人の性格の違いでもあるでしょう。中には、コミュニケーションが苦手だったり、人に愛想良くしたくないと思ったりする人もいると思います。そういう人が、人から批判されたくないからではなく(ここは少しニュアンスが難しいのですが)、愛想良くしたくないという気持ちがありつつも、仕事の分野で抜きん出る必要があると自覚し、努力して一流の腕前を身につけた結果、「じゃあ人に対して不愛想にやってやろう」という考え方になる、という可能性もあるのではないか、と私は推測しています。

また、私のように「仕事はできるけど不愛想だな」という人に対して反感を感じる人もいる一方で、仕事上で人に愛想良く振る舞うことに抵抗を感じる人もいます。そして、「あの人は仕事ができるからこそ、人に偉そうにできるんだ」という視点から、不愛想でいられることへの憧れのようなものを感じたり、ある種の目標や夢になったりしている部分もあるのではないか、とも思うのです。

私の考え

こうした様々な見方があることは重々理解できるのですが、私個人としては、やはり愛想の良い人が好きです。仕事ができるからといって、傲慢な人とは付き合いたくない、というのが私の考えです。



Preplyでビジネス日本語を教えています。日系企業で働いてみたい方、日本語の更なるスキルアップを目指す方など大歓迎です。お気軽にお問い合わせ下さい。

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