こんにちは。今回のテーマは、私たちが「サラリーマン」と聞いて思い浮かべる、スーツにネクタイを締めてオフィスに通う、いわゆるホワイトカラーの働き方についてです。一口にサラリーマンと言っても様々なお仕事がありますが、実はその具体的な業務内容が、外部からは非常に分かりにくいことが多い、というお話をしてみたいと思います。
見えやすい仕事、見えにくい仕事
世の中には、その仕事ぶりが外から見てイメージしやすい職業がたくさんありますね。例えば、料理人の方であれば、厨房で料理を作り、お客様に提供して喜んでもらう、といった一連の流れが想像できます。トラックドライバーの方なら、荷物を運ぶのが仕事だとすぐに分かります。
このように、自分の手や足を使って行う仕事や、何かを「作る」「運ぶ」といった目に見える成果がある仕事は、どんなことをしているのかが想像しやすいです。子供の頃にトラックドライバーが運転する姿を見て「かっこいいな」「面白そうだな」と感じ、将来運転手になりたいと思った方もいるかもしれません。料理人やパイロットなど、外部から見て仕事の様子が具体的にイメージしやすい仕事は、憧れにつながることも多いのです。
ところが、スーツを着たホワイトカラーのサラリーマンとなると、どうも具体的な職種内容が分かりにくいのではないでしょうか。
私も分かりませんでした
実は、この話をしている私自身も、かつてサラリーマンがどんな仕事をしているのか全く分かりませんでした。子供の頃はもちろん、大学時代になっても同じでした。世の中にたくさんのサラリーマンがいるのに、彼らが具体的にどんな業務をしているのかが分からなかったのです。
いざ大学を卒業して就職活動を始めようという時、周りから追い立てられるように活動するものの、「じゃあどんな仕事に就けばいいんだろう?」と途方に暮れてしまう。これは、仕事の具体的な内容が分からないからこそ起こることなのかもしれません。
特に、ご両親がサラリーマンのご家庭であれば、なんとなく仕事の情報が伝わってくることもあるでしょう。しかし、親御さんが自営業などをされているご家庭だと、サラリーマンの生活や人生がどのようなものか、実感として分かりにくい、ということもあるのではないでしょうか。
仕事内容の不明確さが生む問題
このようにホワイトカラーの仕事内容が分かりにくいことには、いくつかの問題点があります。
- 志望動機がうまく作れない:未経験の場合、「なぜその仕事がしたいのか」という理由が曖昧になり、志望動機がうまく作れません。仕事が魅力的に思えても、具体的な業務が分からないため、どこに魅力を感じているのかを明確にできないのです。
- 業務レベルで職種を決められない:具体的な業務内容が分からないため、自分がどんな職種を選べば良いのか、業務レベルで判断することが難しいのです。
- 「やってみないと分からない」ジレンマ:仕事にはたくさんの種類があるにもかかわらず、実際にその仕事に就いてみないと分からない、というジレンマがあります。
もっと情報が必要!でも難しい現実
世の中には様々な仕事があります。ホワイトカラーもブルーカラーも含めて、彼らが具体的に何をしているのか、もっと情報が伝わったら良いのに、と思います。
もちろん、今はインターネットが発達していて、誰もが情報を手に入れられる時代です。しかし、それでも会社の内部でサラリーマンが何をしているのか、どんなことに喜びを感じ、どんなことで大変な目に合っているのか、というのはなかなか実感として掴みにくいのが現状です。特に、大変なこと、苦労していることについては、より実感しにくい傾向があるようです。
そして、サラリーマンが組織の中でどれだけ人間関係に苦労するのか、という点も、これは実際にサラリーマンをやってみないことには分からない、と言えるでしょう。人間関係のスキルは、知識や他のスキルとは違い、人に教えてもらうというよりは、自分で実践を通して学んでいく部分が大きいからです。
仕事を知る機会、そしてもしも…
仕事の疑似体験として、インターンシップやアルバイトといった機会もあります。しかし、個人的には、こういった機会だけでは仕事の「本質」まで迫るのは難しいと感じています。もっと具体的な部分で、仕事を知る機会がたくさんあれば良いのに、と思いますね。
そして、これはあくまで私の勝手な想像なのですが、「サラリーマン養成学校」のようなものがあっても良いのではないか、と思うことがあるのです。
というのも、やはり組織の中での人間関係に悩む人は多いですし、学校では教えてくれない、サラリーマンの世界の人間関係の難しさの中で生き残る術。例えば、
- 会社の中でうまく立ち回る方法
- 上司にうまく取り入って出世する方法
といったことを教えてくれるような学校ですね。世の中には本音と建前があり、そのバランスを取るのが非常に難しい。そういったことも含めて、事前に学ぶことができる場所があれば、と感じるのです。
人生は短く、全ての仕事を経験することはできません。一つの選択が非常に重要になりますし、一度選ぶとなかなか後戻りできない場合もあります。だからこそ、あらかじめ様々な仕事の成功例や失敗例、具体的な事例を学べるような学校や施設ができると良いな、と思っています。
まとめ
ホワイトカラーのサラリーマンの仕事内容は、外からは見えにくく、具体的な業務がイメージしづらいという特徴があります。この分かりにくさが、志望動機が作れない、業務レベルで職種を決められないといった問題につながります。実際に経験しないと分からないことが多く、特に組織内の人間関係の苦労などは、就職してから直面することも少なくありません。
仕事内容の具体的な情報がもっと伝わること、そして、単なる疑似体験にとどまらない、仕事の本質を知る機会や、サラリーマンとして必要なスキル(特に人間関係など)を事前に学べる場があれば、より良い選択ができるのではないか、と感じています。