Web面接だけでは見えないもの。実際に会社に行く価値とは?

2025年5月13日火曜日

ビジネスマン

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最近は、新型コロナウイルスの世界的な流行により、企業の面接もオンラインで行われることが非常に多くなりましたね。オンライン面接は、企業側にも応募者側にも多くのメリットをもたらしていると思います。例えば、移動時間やコストの削減などが挙げられます。

しかし、このオンライン面接には、便利な一方で、いくつか弊害、つまりデメリットも存在します。今回は、特にそのデメリットの部分に焦点を当ててお話ししたいと思います。

一言で言えば、オンラインだと、企業側も候補者側もお互いのことがなかなか分からないという側面があるのです。面接では、企業側も候補者側も、本音の部分を見せないことが多いですよね。常に建前で終始してしまい、いざ入社してみたら、お互いの考え方や価値観が合わなかったり、様々なミスマッチが起こる可能性があります。

オンライン面接で不足しがちな情報

実際の対面面接とは異なり、オンライン面接では多くの場合、お互いの姿が上半身より上しか見えません。話している姿や、背景が少し映るくらいでしょうか。このように、お互いのことを知るための情報が不足しているのではないかと感じます。

対面面接の価値

これに対して、従来の一般的な対面面接の場では、得る情報が圧倒的に多いです。まず、会社を訪問することで、その会社の「感触」を実際に確かめることができます

具体的には、

  • 受付の人たちの対応から、会社の姿勢や実情を垣間見ることができます。丁寧な対応をする人もいれば、外部の来客を軽視しているような人もいるかもしれません。
  • 待合室で待っている間も、その空間の雰囲気を感じ取ることができます。
  • 面接官と実際に会って話すことで、その人の話しぶりや醸し出している雰囲気が肌で分かります。これは、面接官側から応募者を見る場合でも同じです。

(余談ですが、ビジネスマナーの本などには、面接官を待つ間に椅子に座らず立って待つ方が良い、といったことが書かれているものもあるそうですね。私も個人的にはそこまでする必要はないかと思いますが、これは人それぞれの考え方でしょう。)

実際の対面面接体験談

ここで、私自身の過去の具体的な体験談を少しお話しさせていただきます。タイで働いていた頃に仕事を探しており、バンコクから離れたサムットプラカン県にあるゴム部品を作る工場に応募した時のことです。私は技術営業の募集に対して応募しました。

その会社に行くために、わざわざ時間をかけて行きました。公共交通機関が限られている場所だったので、バスを乗り継いだりと少し面倒ではありました。

会社に到着してまず思ったのは、「すごい古い会社だな」ということでした。汚くはありませんでしたが、おんぼろな社屋という印象でした。無理やり「こういうところで働くのも味があって悪くないかも」と思い込もうとしたのを覚えています。

面接は、日本人の担当者の方とお会いして始まりました。その担当者の第一印象は、あまりよろしくない感じでした。早口で、せっかちな感じがすごく伝わってきたのです。「この人、結構厳しい感じの人かもな」と直感しました。

面接中にその方が席を立って社内を歩き回る姿を見たのですが、背筋をピンと伸ばし、大股でせかせかと歩く姿を見て、「この人、なんか忙しいアピールをしてそうだ」と感じたのです。これには正直、「ちょっとやばいな」と心の中で黄色信号が灯りました。

その後、その方ともう一人、日本からの駐在員の方ともお会いしました。駐在員の方は割と温和な感じの方でしたが、全体的に日系企業にありがちな、昔ながらの社風のようなものを会話の中で強く感じました。

面接の後に「Excelのテストをします」と言われた時は、「Excelかよ…」と内心焦りました。あまり得意ではなかったからです。テストのやり方が分からないところがあり、最初に話した日本人の担当者の方に計算式について質問してみたのですが、確か「自分で考えてください」と言われた気がします。テストなので当然なのですが、これも印象に残っています。

やはり「実際に行くこと」の価値

このように、やはり実際にその会社に行ってみて、そこで働く人や雰囲気に触れて初めて分かることというのは、確実にあると思います。面接担当者は、もし入社したら自分の直属の上司になる可能性がある人です。将来の上司になるかもしれない人との相性が合うかどうかは、非常に大切なことですよね。

オンライン面接が主流になり、「面倒な面接に行かなくて済む」「時間も節約できる」と喜んでいるだけではいけないと思うのです。

ミスマッチのリスクと影響

企業側も、人を採用する際は慎重に吟味する必要がありますし、面接は非常に重要な問題だと考えます。オンライン面接だけで採用を決めてしまい、いざ働かせてみたら、期待していた人物像や、性格、キャラクターなどが違った、というミスマッチが後から起こる可能性があるからです。

会社側にとっては、もし合わなかったら最悪、退職してもらうという選択肢もありますし、採用担当者も評価が下がる程度で済むかもしれません。

しかし、会社を受ける側の候補者にとっては、問題が深刻です。面接の時に会社の「本質」を見抜けずに、たまたま内定が取れたからと入社してしまった結果、実はブラック企業だったり、上司と全く合わなかったり、といった問題が出てきても、後の祭りになってしまうのです。

まとめ

Web面接が主流になっている現代ですが、実際に会社に足を運んで面接を受けてみるというのは、様々な面で大きな価値があることだと感じています。便利さだけでなく、得られる情報や感じられる雰囲気も考慮に入れて、どのように面接を受けるか検討してみるのが良いのではないでしょうか。



Preplyでビジネス日本語を教えています。日系企業で働いてみたい方、日本語の更なるスキルアップを目指す方など大歓迎です。お気軽にお問い合わせ下さい。

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