仕事選びって本当に難しいですよね。特に初めての就職活動や、全く新しい業界への転職となると、「思っていたのと違った!」という経験をされる方も少なくないのではないでしょうか。自己分析や業界研究をしても、実際にやってみないと分からないことってたくさんありますよね。
今回は、私自身の過去の経験を例に挙げながら、仕事における「入社前と入社後のギャップ」についてお話ししてみたいと思います。
製造業の営業職、そして工場研修
私の場合は、基本的に個人向けの営業を中心に行っていましたが、過去に何度か工場で勤務した経験があります。いわゆる製造業の営業職です。
製造業の営業職は、一般的な「きついノルマに追われたり、飛び込み訪問をしたり、上司から厳しく詰められたりする」といった営業のイメージとは少し質が異なり、よく言えば安定していると言えるかもしれません。メーカーの営業などは、雇用も安定していて長く勤めるのに良い仕事だと私自身は感じていました。
しかし、そういった一見良いことずくめに見える工場での営業職も、実際に飛び込んでみると難しさを感じることがありました。
まず、工場という場所は非常に閉鎖的な空間です。営業職とはいえ、入社してすぐは外回りもほとんどさせてもらえませんでした。私の入った会社では、最初の半年間は全く外に出られず、工場現場で研修を受けていたのです。
研修では、実際に工作機械を自分で操作し、金属加工なども経験しました。汎用旋盤を使ってワイングラスのようなものを作らせてもらったこともあります。今振り返ると、機械加工を実際に経験できたことは非常に貴重な経験でした。
ただ、私はそれまで個人向けの外回り営業を中心に行っていたため、ほとんど工場の中にいる仕事に変わったことで、大きな違和感やギャップを感じたのも事実です。
工場勤務のイメージとの大きなギャップ
特に一番驚き、ギャップを感じたのは、工場で働く人々のコミュニケーションについてでした。
工場に入る前、私は「工場で働く人たちはあまりコミュニケーションを取らず、黙々と機械に向かって作業している人が多いのだろう」「雑談もほとんどしないだろう」という表面的なイメージを持っていました。「コミュニケーションが苦手な人が多いのかな」とも思っていたのです。
しかし、実際に工場で働き始めてみると、決してそんなことはありませんでした。むしろ、意外とみんなでワイワイとコミュニケーションを取っていたのです。
もちろん、中には他の人とはあまりコミュニケーションを取りたがらない、寡黙なタイプの人もいました。ですが、そういった人もただ単に引っ込み思案なだけで、実際に話してみると非常に気さくで話しやすい人もいたのです。みんながみんな、営業マンのように誰にでも気軽に話しかける陽気なタイプばかりではない、ということですね。
ここで私が言いたいのは、キャラクターは人それぞれですが、工場という場所は意外とコミュニケーションが重視される職場だったということです。
なぜなら、工場の安全管理は非常に徹底されていますし、周りの人たちとコミュニケーションを取り、チームワークで仕事を進めていくことが求められるからです。中には頑固な職人のような人もいましたが、そういった人であってもコミュニケーションは必要でした。
最近、日本社会全体でコミュニケーションの重要性が叫ばれていますが、工場に関しても例外ではなく、むしろ工場ではコミュニケーションがとても大切にされていると感じました。
休憩時間と人間関係の難しさ
私自身の経験で特に印象的だったのは、地方の工場での休憩時間です。休憩時間になると、工場の人たちが休憩所や喫煙室に集まって、一斉に雑談をするのです。
私は途中から入った人間でしたので、そういった既存の雑談の輪に加わるのが難しく、非常に居心地の悪い思いをしました。周りの人たちは当然、何年も付き合いのある顔見知りばかりですから、そこにいきなり入って雑談の輪に加わるのは難しかったですね。
その工場は色々な事情があって短期で辞めてしまいましたが、やはり地方の工場などでは、古くからの知り合いや友達が一緒に働いているケースが多いようです。工場自体のオーナーも地元では有名な方だったりします。
そういった工場では、たとえ転職してきたとしても、古くからいる人たちからの偏見や、やや排他的な態度を感じることがあり、転職がうまくいかないケースもよくあるらしいのです。私自身もそういった人を見てきて、馴染むことの難しさを感じました。
まとめ:結局、人間対人間
結局何が言いたいかというと、転職するにしても、工場勤務のような仕事であっても、やはり人間対人間なので、コミュニケーションは非常に重要視されるということです。いかに周りと上手くやっていくかということは、特に日本の会社であれば大切にされることだと感じています。
当初、就職活動の時と実際に働いてみた時のギャップについてお話ししようと思っていたのですが、その具体例として工場の話を取り上げてみました。工場ではコミュニケーションはあまり必要ないのではないかと思っていたのに、実際はそうではなかった、という私の経験です。
何事も、やはりやってみないと分からないものですね。