こんにちは。今回は、会社の会議でよく見られる「それらしいコメント術」と、AIが普及するこれからの時代において本当に価値を持つ言葉について考えてみたいと思います。
サラリーマンの試練 ― 終わらない会議
私がサラリーマンだった頃、一番大変だったのはやはり「会議」でした。
会社によっては、朝9時に始まり、夕方どころか夜まで延々と続くこともあります。正直「もう勘弁してくれ」と思うこともしばしばでした。
それでも多くの日本の会社員は、非効率な会議であっても黙々と参加しています。会議に出席していると、なんとなく「仕事をしている」気分になれるからかもしれません。
会議で意識すべき2つのポイント
会議を乗り切るうえで、最低限意識すべきポイントは2つあります。
居眠りをしないこと
どんなにつまらなくても、居眠りは絶対にNGです。日本の職場文化では、会議中の居眠りは許されません。眠気が来たら顔を洗うなどして、とにかく「起きている」ことを示すのが大切です。何かしらコメントをすること
会議に出た以上、一言でもコメントをした方が無難です。黙っていると「参加していない」と見られることがあります。ただし、内容に興味がないと発言は難しいものです。そこで活用されるのが「それらしいコメント術」です。
「それらしいコメント」が得意な人たち
私の周りにも「コメント上手」な人がいました。
ところがよく聞いてみると、結局は中身がほとんどない発言をしていることが多かったのです。耳で聞くと納得できるように思えるのに、文字にするとスカスカ――。これが「それらしいコメント」の正体です。
会議で使える「それっぽいフレーズ」5選
ここで、実際に会議でよく聞く「それらしいフレーズ」をいくつかご紹介します。
「方向性としては悪くないのですが、さらなる検討が必要ですね」
「やはりスピード感を持って進めることが重要です」
「このままだとトラブルになる可能性もあります」
「この点については関係部署と連携を強化すべきでしょう」
「要するにバランスを取りながら柔軟に対応していく必要がありますね」
特に「最適解」という言葉は便利です。失敗しても「当時の最適解だった」と言い訳できるため、優等生タイプが好んで使う傾向がありました。
テレビのコメンテーターにも同じ現象
こうした「意味のないけれどそれっぽいコメント」は、会議だけでなくテレビでも見られます。
ワイドショーやニュース番組のコメンテーターが、「社会全体で意識改革が必要です」「多様性を重視しながら現場の声を聴いていくことが大切です」といった発言をする場面です。聞いているともっともらしく聞こえますが、文字にすると空虚さが際立ちます。
AI時代に残る言葉とは?
では、この「それっぽいコメント」がAI時代にどうなるでしょうか。
AIは人間以上に無難で巧妙なコメントを生み出せるようになるはずです。つまり、人間の「それらしい言葉」はAIに代替されてしまう可能性が高いのです。
だからこそ、これからの時代に価値を持つのは、**「文字に起こしても意味がある言葉」**です。耳で聞くだけでなく、文章として読んでも納得できる中身のある発言こそ、人間ならではの価値になります。
まとめ
会議では「居眠りしない」「一言コメントする」が基本ルール。
「それっぽいコメント」はその場しのぎには有効だが、中身は空虚。
テレビのコメンテーターにも同じ現象が見られる。
AIが進化する時代、人間に残るのは「文字にしても意味がある言葉」である。
皆さんの周りにも「最適解」という言葉を多用する人はいませんか?ぜひ思い浮かべてみてください。そして、自分の言葉がAIに代替されないように、しっかりと「中身のある言葉」を意識してみましょう。