サラリーマンを楽にする処世術 ― 「言われたことだけやればいい」という選択

2025年9月7日日曜日

サラリーマン

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日本の会社で働いていると、よく耳にするフレーズがあります。

それは「言われたことだけやるな」という言葉です。

この言葉の裏には、「もっと工夫して動け」「付加価値を生み出せ」といった意味が込められています。正社員である以上、アルバイトのようにただ言われたことだけをしていてはダメだ、という考え方です。

ところが実際には、部下が工夫して動けば「勝手に解釈するな」と叱られ、指示を待てば「自分で考えろ」と言われる…。そんな矛盾を感じたことがある人も多いのではないでしょうか。


マイクロマネジメント上司との苦い記憶

私自身、タイ・バンコクで出会った上司がまさにそうしたタイプでした。
最初は爽やかで上品な印象でしたが、時間が経つにつれて本性を見せ始め、細かい指導で自分のやり方を押し付けるようになりました。

自由に工夫しながら成果を出したい私にとっては、水と油のように合わない存在。勝手に動けば叱られ、指示を待てば「考えろ」と言われる。どちらに転んでも小言が飛んでくるのです。

やがて転職を考えましたが、当時はちょうどコロナ禍で動けませんでした。結局、2年ほど我慢し、パンデミックが落ち着いて転職できたときは、心の底から解放感を味わったのを覚えています。


主体性を育てるには「任せる」しかない

「言われたこと以上をやれ」と口にする上司は、実のところ「自分の想定の範囲内で動け」と言っているにすぎません。本当に部下に主体性を持たせたいのなら、必要なのはただ一つ。

思い切って任せることです。

もちろん、部下の力量に合わせて任せる範囲を調整する必要はあります。しかし、あれこれ細かく口を出しすぎれば、部下は考えることをやめ、ただの「指示待ち」になってしまいます。そして何か問題が起きても「上司がそう言ったから」と責任を回避するようになってしまうのです。


上司の器量がすべてを決める

最終的に、この問題は上司の器量に行き着きます。

  • 器の大きい上司は、部下に細かいことを言わず、余裕を持って構えられる。

  • 器の小さい上司は、部下の失敗を自分の評価に直結させ、口うるさくなる。

人は二流、三流であるほど多弁になり、一流であるほど黙って構えていられる――そんな実感を持っています。


「言われたことだけやればいい」という処世術

冒頭の「言われたことだけやればいい」という考え方は、決して後ろ向きなものではありません。むしろ、自分の心を守るための処世術になり得ます。

上司の矛盾や器量不足に振り回されるくらいなら、割り切って「求められたことだけをやる」と決めてしまう。それだけで、サラリーマン人生はずっと楽になるはずです。

主体的にキャリアを築くための一つの選択肢として、この発想を頭の片隅に置いてみてはいかがでしょうか。


Preplyでビジネス日本語を教えています。日系企業で働いてみたい方、日本語の更なるスキルアップを目指す方など大歓迎です。お気軽にお問い合わせ下さい。

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